開拓時代を支えた「札幌軟石」

札幌市南区には「札幌軟石」の採石場の跡があります。ここから札幌の中心部に向けて、まっすぐ北に、「石山通り」と呼ばれる幹線道路が伸びています。かつて札幌中心部の、大規模な石造りの建物の材料として、ここをまっすぐ運ばれたのだといいます。

開拓を「お雇い外国人」の手にゆだねた札幌。彼らがもたらした石造りの建物は、それまで木造の建物で寒さに震え、火災に苦しんだ人々にとって画期的なものでした。だいぶ減りましたが、よく見ると、札幌には札幌軟石で造られた建造物がちょこちょこ残っています。有名なものも、小さな倉庫やサイロなど無名なものも。派手さはないけれど重厚でぬくもりがあります。

札幌軟石は、遠く支笏湖が大爆発した時に流れてきた噴出物が固まったものだそうで、その名の通り軟らかくて切り出しやすく、加工もしやすいといいところだらけ。その材としての価値や機能性が再評価されています。表面の加工は、さまざまなパターンがあります。

札幌を歩く機会がありましたら、ちょこっと「石」にも注意をはらってみてください。